FX初心者のうちから身につけておく

自分の問題点を修正する能力

FX初心者のうちから身につけておくFXを始める前と後では“自分”に対しての印象も変わってきます。「お金」が関係することによって自分を制御することができなくなる人もいれば、トレードを管理する事ができない人、トレード手法を守れない人、などその事象は人によって違ってきますが、多くの人は案外“自分”というのを良く知りません。従って、デモトレードでは知ることのできなかった自分がリアルトレードでいきなり表れてしまい、トレードを続けていく上で大きな障害となってしまうのです。しかし、そうした部分は他人が治す事はできず、あくまで“自分自身”でしか治すことはできないのです。

たとえば、「トレードルールを守れない人」を例にとってみましょう。トレードルールを守る事ができないからといって、他人が「トレードをするな」といって素直に聞くのでしょうか?確かに素直に聞く事が出来る人もいるかと思いますが、その場合は“他人のお金を運用している”もしくは“絶対的師匠の言う事”のどちらかであることがほとんどになります。ですが、サラリーマン、主婦、大学生、パートなど個人投資家であれば、その限りではないので「トレードをするな」といっても、その指示を破ってしまうでしょう。仮にトレードを中断したとして、その間に値動きが激しい相場だったとするならば、「トレードしてれば利益を取れたのに・・・」なんて不満や愚痴を言ってしまうことに繋がります。ですので、自分の問題点は“他人が治す”というよりも自分で治していかなければならないのです。

自己分析能力

トレードにおいて、「自己分析能力」というのはとても重要な位置付けとなります。どんなトレードが得意で、どんなトレードが苦手か、それに自分の問題点や改善点など。これらを自分自身が把握することで、トレードスキルだけでなくメンタルコントロールやトレード管理というのが上達していくのです。しかし、自分だけでは“見える部分”という点において限りが生じる時がきます。相場では客観性を持つ事が大切とされていますが、これを自分で意識しているつもりが、主観的になっていることはよくあることで、それではいつまで経っても同じ次元のままとなります。

仮に、トレード仲間や家族という第三者の存在があるのであれば、そうした“視点”というのを積極的に取り入れるべきであり、同時に「自分中心的な考え方になっていないか」、「確証バイアスがかかっていないか」という自分の意見と第三者の意見をすり合わせる必要があります。そこで、違いが生じるならば、自分の意見や考え方が主観的である可能性があるので、何かしらの変化を与えて修正するようにしなければならないのです。しかし、ここでは注意も必要です。それは、“第三者の視点”が自分と同等もしくはそれ以上であることです。その条件を満たす人、というのは中々見つかるものではありませんが、必ずしもその存在が身近である必要もありません。

例えば、「下落した相場」があったとして、その時の自分の考え方としては「上昇する相場」という予測をしていたとします。その間違い自体を責める必要はありませんが、自分の予想と反する動きをした時に、その方向を予想していた人はどういった視点で考えているか、という部分の理解を深める必要があります。このときでいえば、始めから「相場が下落する」という予測をした人になります。先に“必ずしもその存在が身近である必要もありません”といったのは、ネットや本を調べればその存在を見つける事ができ、それに考え方を知る事もできるからです。いかにして自分が客観的な立場を保つ事ができるか、ということを把握・改善する為にも「自己分析能力」と「第三者の視点」が必要となるのです。

自分の“トレード手法”を確立しなければならない

トレード手法というのは一人一人違ってきます。何故なら、トレード環境や考え方という部分まで他人と同じにすることはできないからです。専業トレーダーと兼業トレーダーではトレード環境が異なるのは当たり前で、更に兼業トレーダーを掘り下げてみても、取引時間やチャートを分析する時間、トレード管理方法が違えば「トレード環境」というのは違いが生じるのです。それに“考え方”という部分が加わるので一人一人トレード手法というのは違ってきて当然だといえるかと思います。

しかし、FXで負けが続いてしまうとどうしても“勝ちトレーダーの手法”に目がいってしまいます。ついつい「誰でも勝てる」、「FXで勝つ事は簡単」など甘い謳い文句に騙されてしまい、お金を摂取されてしまう人も多くいるでしょう。けれども「一人一人トレード手法は違う」という認識を強く持つ事で、“勝ちトレーダーの手法”に目がいく事も無く、自分のトレード手法を確立することに集中することができるでしょう。勝ちトレーダーの手法を真似したところで、その人とトレード環境や考え方までは同じにする事ができないことから、いくら真似をしても結果が“同じ”にはならないのです。こうした理解を深める事で、トレード手法やインディケーターに迷走することも防げるようになるかと思います。

トレード回数を増やせばその分リスクも増える

勝ち組になるための鉄則FXの初心者であれば一回は「ポジポジ病」になるかと思います。ポジポジ病とは、常にエントリーしてポジションを保有してしまうことを指します。「戦略」という部分を無視してポジションを抱えることだけに満足してしまい、結果的に損失を招いてしまう事に繋がります。自分の予想した方向へ相場が進めば利益を出す事ができますが、多くの場合は“戦略や相場を無視したエントリー”や“値ごろ感”になるので逆方向へ相場が進む事が多いです。それに加えてポジポジ病の人は“損切り”ができない場合が多いので、ポジションを決済する時は、「損失が大きく膨らんでいる」もしくは「ロスカット」が多いのです。

エントリーしてポジションを保有すれば利益が出るわけではありません。むしろ資金をリスクにさらしているので損失をこうむる可能性があるのです。そして、戦略もなしにただ闇雲にエントリーしているのであれば、それは山勘や運でのトレードになるのでギャンブル性が高くなってしまいます。そこから見えてくる改善点も、戦略ありきでトレードした場合と比較してみると圧倒的に少ないので、トレードスキルの向上にも繋がらないのです。「ポジションを保有する」という事はその分リスク抱えているということなのです。

エントリーしない事を“失敗”と思わない

日中に仕事をして夜にトレードをしている“兼業トレーダー”の方は多くいます。そういった方は、トレードする時間も限られているので、なんとかチャートを見ている間にエントリーしたくなるでしょう。しかし、自分がチャートを見ている時が、必ずしも”エントリーすべきタイミング”であるわけではありません。その時、我慢する事が出来ずに無意味にエントリーしてしまえばそれ以前の問題になりますが、今回は「エントリーを見送った時」になります。エントリーすべきタイミングでなければもちろん、エントリーを見送る事になりますが、ただでさえトレードする機会が少ない兼業トレーダーであれば、その見送った行為を“失敗”と捉えてしまうことがよくあります。しかし、エントリーを見送ることは決して失敗ではなく、むしろ利益を得る為に必要な行為であるといえます。その局面でエントリーしなくてもチャンスはまたやってくるので、“損失回避”と位置づけるようにして、次なるチャンスを待ち続けることがFXでは大切となります。無意味なエントリーこそ“失敗”として位置付けるようにしましょう。