FXには為替差益を得る投資の方法と2国間の金利差から利益を得る投資の方法があり、この金利差から利益を得る投資の方法をスワップポイントといいます。スワップポイントを得るには金利の高い通貨を買って持ち続けることによって、休日も含めて持っている期間中スワップポイントを得ることが可能となります。今日はこのスワップポイントについて検証していきます。
持っているだけで利益が得られるスワップポイントとは
FXでは、レバレッジをかけることも出来るため、購入している通貨を放置しているだけで大きく利益を上げていくことが可能となります。基本的に日本はマイナス金利政策を行っているため、金利差から利益を出し易い状況にあるといえます。
ただ、高い金利の国の通貨を購入すれば金利差による利益を得ることが出来ますが、金利の低い国の通貨を購入すれば逆に金利差分支払っていかなければならないため、購入する通貨には注意が必要になります。
そしてFX取引会社によってスワップポイントは違ってくるため、FX取引会社を比較して検討することが重要になりますし、政策金利が国の方針で変更されることがあるため政策金利がどのように変更されているのかをチェックして、金利差が狭くなったり金利差が逆転しないかを比較検討していく必要があります。
高いスワップポイントを得られる国は時間が経つと政策金利が下がるリスクもある
FX取引のスワップポイントで利益を得るためには、政策金利が高い国を探すことになりますが、政策金利が高い国には南アフリカやトルコなどが存在していて、南アフリカの場合には2013年に5.0%であった政策金利が2014年から上昇を始めていき、2016年3月に7.0%になりました。しかし2017年6月まで7.0%を維持した後、2017年7月に0.25%引き下げられて6.75%になっています。
このように変更されてきた政策金利ですが、南アフリカの政策金利が変更される要因は消費者物価指数にあります。南アフリカの政府としては消費者物価指数の目標を3%~6%に設定していますが、その目標よりも下回ると金利が下がり上回ると金利が上がっています。
しかし資源国である南アフリカの場合資源価格が上がると消費者物価指数は上がり、資源価格が下がると消費者物価指数も下がることが想定されるため、資源価格の動向が政策金利の動向を判断するためにも注目することが重要となります。
スワップポイントが短期なんで変動する国もある
一方トルコは2014年に10.0%の政策金利がありましたが、2014年5月から下がっていき2014年5月には8.25%までになりました。そしてその後も少しずつ下がっていき2016年10月には7.5%まで下がっていきましたが、11月に8.0%に上っています。
トルコの場合には長期的には政策金利が下がっていく傾向にありますが、未だに高い金利を誇っているため、スワップポイントを得るために購入することは利益を得る方法の1つになりますが、トルコは原油を輸入しているため原油などの資源価格が上がるとトルコの経済に負担がかかりその結果政策金利が上がるリスクがありますし、原油などの資源価格が下がるとその結果政策金利が下がる可能性があります。
このようにトルコの政策金利は原油価格の変化など世界情勢の変化によって変わっていく可能性が高いため、注意が必要になります。
安定的にスワップポイントが得られ、将来更に増える可能性がある意外な国とは
南アフリカやトルコといった政策金利が高い国もありますが、それらの国は一方で政策金利が変更されて下がるリスクがあり、そのために発表される政策金利を注視する必要が出てきます。
しかし意外な国で政策金利が安定的に推移していて緩やかに上昇を続けている国があります。実は、その国がアメリカになります。アメリカの政策金利は2008年12月から2015年11月まで0.25%を維持していましたが、2015年12月に0.5%となり2016年12月に0.75%となって、2017年2月まで0.75%を維持していました。
ただここまで安定しているとはいっても金利は低かったのですが、2017年3月に政策金利は1.0%となり6月には1.25%と上昇を続けてきました。しかも2018年に入りこの後も3回~4回の政策金利引き上げが期待されている状況のため、政策金利が下がるリスクは殆ど存在していないといえ、そのため安定的なスワップポイントを得るために米ドルを購入しておくことは1つの方法になり得ます。