FXで利益を出すスワップ金利

為替レートの変動によって利益を得る

FXで利益を出すスワップ金利これまでお伝えしてきたお話は、為替レートの変動によって利益を得る方法でした。これを「キャピタルゲイン」といいます。1ドル112.000円でドルを買って、1ドル112.500円に変動したタイミングで売りに出せば、差額が利益となります。逆に1ドル112.000円でドルを売って、1ドル111.500円でドルを買えば円高に動いた分だけ利益となります。将来、為替レートがどう動くのか、それは誰にもわかりません。それを予測する方法としてチャートを分析する「テクニカル分析」と経済指標などの情報を分析する「ファンダメンタルズ分析」があります。どちらの分析についても前回紹介しましたが、今後何回かに分けてさらに詳しくご説明していきます。

基本的にFXの取引で利益を出すのは、このキャピタルゲインです。重要なのはタイミングです。「いつ買うのか」「いつ売るのか」、ここがポイントです。ドルを買ったはいいけどいつ売ろうか迷っているうちに1週間が過ぎたとします。何かしらの通貨を売買すると「ポジションを持った」ことになりますが、利益が出るタイミングで取引しないとキャピタルゲインでの収益はいつまで経っても増えません。

ポジションを持っているだけで利益が出る

キャピタルゲインの側面から見るとポジションを持っているだけでは利益が出ませんが、FXには実はもう一つ収益を増やす方法があるのです。それが「インカムゲイン」というものです。毎日ポジションを持っているだけで収益が増えていくのです。取引をする必要はありません。夢のような話ですが、これは各国によって「政策金利」が異なることが原因です。通貨間の金利差から「スワップ金利」というものが生まれてきます。FXを扱う場合は、このスワップ金利にも注目する必要があります。

例えば2017年9月を見てみましょう。日本は超低金利政策を続けていますので、日本の政策金利は「0.01%」になります。それに対して米国は政策金利が「1.25%」です。つまり百万円を銀行に預けていたとして、1年後の利息が日本だと100円になりますが、米国だと12,500円になります。この差額がスワップ金利です。365日で割った額を毎日得ることができるわけです。1ドル112.000円でドルを買って、一ヶ月後に1ドル113.000円になったタイミングで売れば、キャピタルゲインの利益が出るだけでなく、スワップ金利によって1ヶ月分のインカムゲインの利益も収益に加わるということです。

スワップ金利の変動

各国の金利は日々変動していきます。2017年9月に日本が0.01%で米国が1.25%ですが、2008年9月を振り返って見ると日本が0.50%で米国が2.00%でした。両国ともに金利が下がっていますが、差も変化しています。2008年9月では差は1.50%ですが、2017年9月には差が1.24%になっています。こうなると得られるスワップ金利の利益も減ってきますね。このようにスワップ金利は変動していくのですが、利用するFX会社によってもバラつきがあります。国の政策金利は変わりがないのにFX会社によってスワップ金利が違うことに違和感をもつ方もいますが、こちらは「スプレッド」(買値と売値の差)と同じにとらえてもらえればいいでしょう。スワップ金利もスプレッドもFX会社が独自に決めることができるのです。

例えば同じ日に取引をするにしても、通貨ペアを「ドル/円」で比べてみると、1万通貨を買った際にA社であれば1日50円のスワップ金利がつくのに対し、B社では1日2円のスワップ金利になっています。実に25倍も違いがあります。だったらみんなA社を選ぶでしょ、という話になりますが、これはあくまでも「ドル/円」に限ってであり、「南アフリカランド/円」になるとA社のスワップ金利は5円、B社のスワップ金利は15円です。このようにFX会社によって、どの通貨に強いのかは異なります。自分がどの通貨ペアで取引をするのかを決めたら、各会社のスワップ金利やスプレッドについては必ず確認をしましょう。FXの取引を始めるのにあたり、開設する口座を複数もっておいたほうがいいのはこういった理由になります。口座開設の手数料もかかりませんので、最低でも三社は扱えるようにしたほうが有利です。

マイナスもありえるスワップ金利

金利とはどのようなものなのか何もせずに放置しておくだけで預けた資金が増えていくスワップ金利ですが、これには注意点があります。それはプラスに作用するだけではなく、マイナスに作用することもあるということです。「ドル/円」を例にすると、ドルを買うポジションであればスワップ金利分が利益となりますが、逆にドルを売るポジションであればスワップ金利分が毎日の損失となるのです。

メジャー通貨であるユーロを例にとってみると、ユーロの政策金利は現在0.00%です。日本よりも金利が低いのです。ちなみに2008年9月の段階では4.25%でした。急落しています。ですから「ユーロ/円」の通貨ペアでユーロを買っても、スワップ金利はプラスになりません。条件が良くてスワップ金利0円です。FX会社によってはマイナス54円という設定もあります。あくまでも1万通貨ですから、5万通貨で取引をしていると5倍の270円ほど毎日資金が減っていくことになります。1日分で見ると微々たるものですが、これが365日分、つまり1年間となると馬鹿にできない差になります。プラスに作用している分には問題ないですが、損失を出すマイナスに作用している場合は注意してください。

FX取引をするうえで重要なリスク管理

キャピタルゲインをメインにして為替レートの変動から利益を出すもよし、インカムゲインをメインにしてスワップ金利から利益を出すもよし、両方を上手に活用するもよしですが、FX取引をするにあたって最も重要なことは「リスク管理」です。こちらについては今後、様々な事例を上げてご紹介しますので、参考にしていただきと思いますが、今回はスワップ金利に特化したお話をしておきたいと思います。2008年の8月ごろまではスワップ金利狙いでFXの取引をする方も多くいました。日本の銀行に預けるよりも遥かに利息がいいわけですから当然です。売買の取引をするわけもなく預けておくだけで収益がありました。円安がどんどん続き、リスク管理の意識が薄らいでいたときに「リーマンショック」が発生したのです。

「ドル/円」の為替レートはちょうど現在と同じくらいの1ドル112円だったのですが、一瞬にして1ドル87円まで下がりました。1万通貨でドルを買っている場合、1円下がると1万円の損失になります。「レバレッジ」を利用して100万通貨で取引をしていた場合、この一瞬で2500万円失ったことになります。「豪ドル/円」に至っては1ドル104円から55円までの暴落です。資金が底をついた場合は強制的に「ロスカット」となります。つまり元手の資金をすべて失ったことを物語っているのです。このようにスワップ金利で稼ぐから為替レートは無関係というわけにはいかないわけです。仮にスワップ金利メインでFXの取引をする場合でも常に為替レートや経済情報には敏感になっておく必要があります。さらに「損切り」というFXの取引で最も難しいとされる決断もしなければならないのです。これも重要なリスク管理の一つです。「損切り」については次回詳しくご説明します。

FXの取引に恐怖心が芽生えた方もいらっしゃるかもしれませんが、無理なく、しっかりリスク管理をしていけば安心です。そのためにもFXに関する知識に精通していただきたいですね。